世界自然遺産 白神山地

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白神山地は、青森県から秋田県にまたがる山岳地帯で、広さは約1,300 km² と言われています。これは東京都23区の2倍ほどの大きさです。

太古の時代、白神山地は海の底でした。およそ200万年前から隆起しはじめ、崩落と地すべりを繰り返しながら、やがて1000m級の山々が連なる姿になったと考えられています。

8000年ほど前、氷河期の終わりを境にブナを中心とする広葉樹の群落が現れ、その後、長い歳月を経て腐葉土層を形成し、いつしか水の湧き出る豊かな森となりました。今ではクマゲラやイヌワシ、アオモリマンテマやシラガミクワガタといった貴重な動植物をはじめ数多くの生物が棲む、世界に類を見ない極めて価値の高い森林生態系として注目されています。

1993年12月、これらの点が「陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。」として評価され、特に人の影響をほとんど受けていなかった169.7km² の地域が、鹿児島県屋久島とともに我が国初の世界自然遺産に登録されたのです。

白神の森 遊山道

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ここ白神の森は、かつて津軽藩の田山※1であり、また明治以降120余年間にわたって存続した我が国最後の官地民木※2の地としても知られているところです。

このような経緯から、長らくこの地では植林や伐採が行われず、また清らかな水と豊かな自然の恵みをもたらす森として、地元集落である黒森の人々によって大切にされてきたのです。

こうして脈々と守り伝えられた結果、今なおここには白神山地の特徴的な植生が息づいています。現在は保健保安林に指定され、世界自然遺産登録地域のような森林景観を体感できるスポットとして活用されています。また、この森の中にある道は、かつての杣道※3の名残であり、遊歩道と呼ぶには少し険しく、登山道と言うほどには厳しくないことから「遊山道」と呼ばれています。

※1田山(たやま):田んぼに水を引くための特別な領地
※2官地民木(かんちみんぼく):地面は国有、立木は民有という所有形態
※3 杣道(そまみち):山仕事をする人々が用いた細くて険しい山道